

モノづくりの世界に深く興味を持つようになったのは、学生時代、学校で毎年行われているロボットコンテストに参加したときのことです。その時、チームのリーダーを務めたのですが、私のチームだけ、どうしてもうまくロボットが動作しなかったことがありました。みんなで集まって、問題箇所を探して、発見箇所について議論して、改良を重ねるごとに信頼関係も深まって…。子どもの頃から何かを作ることは大好きだったからこそ、技術系の専門学校に進んだのですが、あの時は一人の作業ではなく、“みんなで一つのものを作り上げることの面白さ”を体験しました。
専門学校では、主にシーケンス回路の設計などを学びました。就職活動をしている時に、実はもう1社興味を持っていた企業があったのですが、工場見学の際、多種多様な工作機械が整っているSMCの環境を見て、心惹かれました。「ここならモノづくりに没頭できそうだ」と思い、入社を決めました。
技術系の専門学校出身ですが、加工の知識は、ほとんどない状態での入社だったので、新人の頃は先輩方の指導を仰いでばかりでした。最近では、自分がどこまでできるのかと、身につけた知識をもとに判断できる場面も多くはなってきましたが、加工技術の世界は本当に奥が深いですから「まだまだ、これから」という感じです。




入社から現在まで、製品の設計開発部門から上がってくる設計図に基づいて、製品のプロトタイプを加工する「製造第4部 製造第4課」に所属しています。設計者が仕上げた図面を見て、各種工作機械を使って材料から部品を削り出していくのですが、その面白さや奥深さを実感したのは、入社半年くらいのことだったでしょうか。最初は、機械とただ格闘しているような状態でした。
たとえば、NC旋盤(工作機械の一つで、数値制御された旋盤)を使う場合、ただ削るのではなく、回転数や刃物など細部にわたる設定が必要となります。当然、先輩に細かく教わりながら作業を行うのですが、理解できたつもりでも「なぜこの設定でなければならないのか」という点は、知識だけでは不十分。実際に自分で動かして、過程や完成品を一つ一つ確認しながら、体の感覚で覚えるプロセスを数多く経験しなければ、「自分の技術」にはなりません。
入社から半年くらいは、迷ったり悩んだりの連続でした。でも、日々の試行錯誤を通して、技術者としてのスキルが着実に身についている実感を覚えてしまったら、もうこの仕事から離れられないでしょう(笑)。難しい加工のオーダーを受けて、自分の力で課題を解決しながら、完成した試作品を褒められた時の達成感は、モノづくりの現場でなければ味わえないはずです。

SMCの製品は、お客様の生産ラインで非常に重要な役割を担う部品ばかりなので、世界標準のクオリティが求められることは言うまでもありません。それだけでなく、小ロットの製品も多く、特注品から標準品へと発展していくことも多いため、試作時点での判断が、その後の全製作行程に影響することがあります。だからこそ、できる限りの知識・技術を吸収し、それを活かし、失敗を恐れずに思い切ったチャレンジをする姿勢も必要となります。だから、いまは「加工のスペシャリスト」になることしか頭にありません。とにかく加工技術を極めたい、その一心です。
しかし、技術的な上達はもちろんですが、一刻も早く「周囲のみんなから信頼される専門家」になりたいと思っています。現在、6種類ほどの機械を使えるようになりましたが、それでも設置してある機械の半分にも達していません。早く次の機械を触りたくてウズウズしています。スキルアップへのチャンスは、仕事を通じてどんどんもらえますから、これからも常にポジティブな気持ちで挑戦を続けたいです。

モノづくりの世界では、「誰かが教えに来てくれるさ」という意識では上達はありません。困難に出会ったら、先輩の知識を借りることも必要。でも重要なのは、自分から主体的に動くための興味や好奇心ではないでしょうか。
私は常にメモを持ち歩いていますが、2冊目に突入しました。いつもポケットに入れているので、もうボロボロ。これが必要なくなったとき、本当の技術のプロフェッショナルとして胸を張れるのだと思っています。